大震災と屋根の耐震性。瓦屋根の重量問題は解消できる?

【震災の度に問題視される屋根の重量と耐震性のあり方】

日本の家屋・住宅などの建造物は、大きな地震が起こるたびに屋根の重量と耐震性が問題視されてきました。

耐震性というと住宅の外壁強度ばかりに目がいきがちですが、実は屋根の重量と耐震性は、それ以上に密接なつながりをもっています。

とくに木造住宅の震災による被害は甚大なもので、いまだに残る築50年以上の古い木造住宅については、全半壊という痛ましい状況を引き起こしています。

築50年という年数をさかのぼった当時は、まだ筋違のない竹小舞下地土塗り壁であったために、構造そのものが耐震性というレベルには達していなかったことが倒壊を招いた最大の原因と考えられます。

また土葺きなどによる屋根工法が主流であったために、屋根重量が過大になり、柱や土台に至りまで構造材の蟻害や腐食がすすみ、住宅の最上部にある屋根の重量に押しつぶされるような状態になったと考えられます。

こうした住宅の屋根は、住まい、公共施設、事務所などの用途に関係なく、また屋根葺材の種類とも関係がないまま高い確率で倒壊を招いています。

【他の屋根材とは比較にならない瓦屋根の重量に課題】

また築50年という古い家屋とまではいかないまでも、築20年程度の住宅でも、大震災が起これば倒壊の危機にあります。

比較的新しい木造住宅でさえこのような被害にあうのはなぜかというと、大きな理由が2つ考えられます。

1つは耐震補強にもつながる筋交い補強金具などの装備・敷設が、新築工事の際に十分に行われていなかったこと。

そしてもう1つの理由が、極めて思い瓦屋根にあるということです。

瓦同士は非常に強力に補完しあっていて耐久性も高いものですが、大震災級の揺れで一度瓦にズレが生じると前後左右のバランスが保てなくなり、下部の住宅外壁を余計に揺らす結果となります。

現代においてはスレート系の屋根や金属系の屋根が開発され広く普及していますが、それらと瓦の重量を比較しても軽く4倍程度の開きがあります。

素焼き瓦、スペイン瓦、陶器瓦、釉薬瓦~。

多くの瓦材が開発されていますが、重量においては課題を残したままと言わざるを得ません。

防災瓦が一時的な話題にはなりましたが、耐熱・耐火性能に富んだこの瓦でさえ、普及率は低いままに留まっている状況です。

建築基準法や耐震基準法などが随時見直されてはいますが、今後はこうした法令の趣旨に準拠し得る、耐震に寄与できる新しい瓦の開発が望まれるところです。

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